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 クリスマス休暇も終わるころ、「隠れ穴」に一通のラブレターが届いた。

 親愛なるフレッド

 クリスマス休暇をいかがお過ごしですか。私は今、ロンドンに居ます。家族水入らず、平和なクリスマス休暇です。
 沢山のクリスマスプレゼント、ほんとにありがとう。七色に発色するインクも、ユニコーンの鬣を編み込んだブレスレットも、あなたのお母さんのミンスパイも、とても気に入りました。私のプレゼントは気に入ってもらえたかしら。ドラゴン革の手袋はとても丈夫で水も弾くから、雪合戦にはもってこいです。

 そうそう、ピーブズとのことで少し面白いエピソードがあるので書こうと思います。あのペンダントが戻ってきてから、ピーブズと少し話す機会がありました。休暇で帰省する前の日、ピーブズが私に声を掛けてきたのです。ピーブズと話すのは初めてのことでした。彼はペンダントのことを謝ってくれました(あんなに素直なピーブズを見たら、たぶんあなたは腰を抜かしちゃうわね)。私は彼に「どこで私のことを知ったの?」と聞きました。すると彼はこう答えました。――お前のことは入学したときからずっと知っている。お前の母さんのことも、そのまた母さんのことも。ねぇ、びっくりでしょう? どうやらあのロケットペンダントは、代々ピーブズに盗られてしまう運命にあったようです。そして彼はそのたびに血みどろ男爵に大目玉を喰らってしまうんだって。だから私は、彼に家族写真を一枚プレゼントすることにしました。私の母も祖母もそこには映っています。これでもう、ペンダントを欲しがることもないと思います。

 それにしてもピーブズがそんなに恋多きポルターガイストだったなんて驚きです。もしいつか私が結婚して、子供を産んで、その子が女の子で、ホグワーツに入学したとしたら、そのときはまたピーブズが彼女に恋をしてしまうのかしら。フレッド、あなたはどう思う?

 もうすぐ休暇も終わりますね。休暇が終わってしまうのは寂しいけど、あなたに会えるのだと思うと嬉しいです。
 あなたとホグズミードに行った日のことを、今も思い出しては幸せな気持ちになるわ。
 また私を連れて行ってね。色んなところに。
 新学期、キングスクロス駅で会いましょう。

 愛を込めて
 



 フレッドはすぐさま羽根ペンを取り、羊皮紙に想いを書きつけた。

 親愛なるハル

 この手紙を老いぼれエロールが新学期前に君に届けてくれていることを祈ります。
 手紙ありがとう。素晴らしいクリスマスプレゼントも。つらつら返事を書きたいところなんだけど、君に言いたいことが沢山ありすぎて、書いていたら家じゅうの羊皮紙がなくなりそうなんだ。
 だから早く君に会いたい。君と会って、二人で話したい。二人のことを、なんでもね。
 それじゃあまた、ホグワーツ特急で。

 愛を込めて
 フレッド・ウィーズリー


 エロールがよれよれの翼を羽ばたかせ、真っ直ぐ、世界で一番愛しい人のもとへと飛んでいくのを、フレッドは晴れやかな気持ちでいつまでもいつまでも見詰めていた。
 最高のクリスマスの、その後に。









THE END